聖書通読チャレンジ記録

聖書通読チャレンジ感想文置き場(予定

サムエル記上 25章

「また、主が約束なさった幸いをすべて成就し、あなたをイスラエルの指導者としてお立てになるとき、 いわれもなく血を流したり、御自分の手で復讐なさったことなどが、つまずきや、お心の責めとなりませんように。

主があなたをお恵みになるときには、はしためを思い出してください。」

ダビデはアビガイルに答えた。

イスラエルの神、主はたたえられよ。主は、今日、あなたをわたしに遣わされた。

あなたの判断はたたえられ、あなたもたたえられよ。

わたしが流血の罪を犯し、自分の手で復讐することを止めてくれた。」
‭‭サムエル記上‬ ‭25:30-33‬

 

「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。

あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。

あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭7:1-3‬

 

前章、本章、そして次章と、裁き、復讐、敵とわたしに関するエピソードの並行箇所が続く。

 

前章と次章ではダビデとサウル王、本章ではダビデとカレブ人ナバルである。

 

手勢を従え、それなりの武装集団であるユダ族のダビデ一党は、ある時期に本拠地であるユダの地にある街、カルメル*1に滞在していた。

 

そこで働くカレブ人ナバルには雇い人の羊飼いたちを「防壁の役をして」*2危険から守ってくれたダビデ一党に義理があった。

 

ダビデはその義理を返してもらおうと、カレブ人ナバルに対し使者を送り、丁寧に口上を述べさせ用心棒代を請求するがナバルはそれに対して侮辱で応じる。

 

面目を潰されたダビデは一党を率いてカレブ人ナバルとその一家を皆殺しにしようと出陣する。

 

そこで、面目を潰され自らの手で侮辱に対する復讐を果たそうとするダビデと、*3それを諌めようとするカレブ人ナバルの妻、アビガイルとの対話が始まる。

 

その対話の中でカレブ人ナバルの妻、アビガイルはダビデに贈り物を届け自らの手で復讐をしようとするダビデを説得し、それを思いとどまらせる。

 

ダビデを侮辱したカレブ人ナバルは主の裁きにより死に至る。*4

 

前章、本章、次章と連続して語られた

敵とわたしの間、裁く神と許す神、復讐に関する三つのエピソードは、サムエル記上のラスト、サウル王の死に向かい統合されていく。

*1:マオン、カルメル、ジフ、ユタ
‭‭ヨシュア記‬ ‭15:55‬

*2:サムエル記上‬ ‭25:16‬

*3:エスの着ている物をはぎ取り、赤い外套を着せ、 茨で冠を編んで頭に載せ、また、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき

ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。

また、唾を吐きかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたき続けた。
‭‭マタイによる福音書‬ ‭27:28-30‬

*4:十日ほどの後、主はナバルを打たれ、彼は死んだ。
‭‭サムエル記上‬ ‭25:38‬

サムエル記上 24章

「自分の敵に出会い、その敵を無事に去らせる者があろうか。

今日のお前のふるまいに対して、主がお前に恵みをもって報いてくださるだろう。」
‭‭サムエル記上‬ ‭24:20‬

 

「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。

しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭5:38-39‬

 

狂ったイスラエル王サウル、彼は疑心暗鬼に陥り臣下だったダビデの命を奪おうと付け狙い続ける。

彼から逃げ続けるだけだったダビデに千載一遇のチャンスが訪れる。

 

ダビデと郎党たちが洞窟に身を潜めていると、そこにサウルが共の者もなく、一人でやって来たのだ。

 

しかも彼は全くこちらに気づいていない。

 

するつもりなど全くない謀反の疑い、しかも証拠すらない嫌疑で散々命を狙ってきた相手、憎んでも憎み足りないかつての主君にして敵の命が、今、ダビデの手の中にあるのだ。*1

 

ダビデの兵は言った。

「主があなたに、『わたしはあなたの敵をあなたの手に渡す。思いどおりにするがよい』と約束されたのは、この時のことです。」

ダビデは立って行き、サウルの上着の端をひそかに切り取った。

しかしダビデは、サウルの上着の端を切ったことを後悔*2する。

ダビデはおそらくサウルを殺そうとしたのだろう。

 

思いとどまったダビデは、サウル王が洞窟を出た後に声をかける。

 

ダビデは嘆く。なぜ、主君であるあなたは謀反のうわさなどに耳を貸したのか。

なぜわたしの命をそれほどまでに奪おうとするのか。

 

その嘆きの中でダビデはこう言う。

「主があなたとわたしの間を裁き、わたしのために主があなたに報復されますように。

わたしは手を下しはしません。」*3

 

自らの手で敵であるサウルを簡単に殺せたが、ダビデは後一歩のところで踏みとどまり、主に対して敵であるサウルと自分の間を裁き、サウルに復讐して下さるよう祈る。*4*5

 

ダビデの嘆きは続き、それはこう締め括られる。

「主が裁き手となって、わたしとあなたの間を裁き、わたしの訴えを弁護し、あなたの手からわたしを救ってくださいますように。」*6

 

ダビデは命を狙い続ける敵に対する復讐を主に求めることではなく、悪から救い出してくださるよう主に祈る。*7*8

 

ダビデの嘆きを聞き終えたサウルは声を上げて泣き、彼の正しさを認めてこう言う。

「お前はわたしに善意を尽くしていたことを今日示してくれた。

主がわたしをお前の手に引き渡されたのに、お前はわたしを殺さなかった。

自分の敵に出会い、その敵を無事に去らせる者があろうか。

今日のお前のふるまいに対して、主がお前に恵みをもって報いてくださるだろう。」*9と。*10

*1:人を打ち殺した者はだれであっても、必ず死刑に処せられる。

家畜を打ち殺す者は、その償いをする。命には命をもって償う。

人に傷害を加えた者は、それと同一の傷害を受けねばならない。

骨折には骨折を、目には目を、歯には歯をもって人に与えたと同じ傷害を受けねばならない。
‭‭レビ記‬ ‭24:17-20‬

*2:サムエル記上‬ ‭24:5-6‬

*3:サムエル記上‬ ‭24:13‬

*4:主よ、報復の神として 報復の神として顕現し

全地の裁き手として立ち上がり 誇る者を罰してください。
‭‭詩編‬ ‭94:1-2‬

*5:愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。

「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。

「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」

悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。
‭‭ローマの信徒への手紙‬ ‭12:19-21‬

*6:サムエル記上‬ ‭24:16‬

*7:「わたしたちを誘惑に遭わせず、 悪い者から救ってください。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭6:13‬

*8:「わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。

わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないのです。」
‭‭ヨハネによる福音書‬ ‭17:15-16‬

*9:サムエル記上‬ ‭24:19-20‬

*10:復讐してはならない。

民の人々に恨みを抱いてはならない。

自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。

わたしは主である。
‭‭レビ記‬ ‭19:18‬

サムエル記上 23章

ジフの荒れ野のホレシャにとどまっていたダビデは、サウルが自分の命をねらって出陣したことを知った。

そのとき、サウルの子ヨナタンがホレシャにいるダビデのもとに来て、神に頼るようにとダビデを励まして、 言った。

「恐れることはない。父サウルの手があなたに及ぶことはない。

イスラエルの王となるのはあなただ。わたしはあなたの次に立つ者となるだろう。父サウルも、そうなることを知っている。」

二人は主の御前で契約を結んだ。

ダビデはホレシャに残り、ヨナタンは自分の館に帰って行った。
‭‭サムエル記上‬ ‭23:15-18‬

 

エスが舟に乗り込まれると、弟子たちも従った。

そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。

エスは眠っておられた。

弟子たちは近寄って起こし、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と言った。

エスは言われた。

「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ。」

そして、起き上がって風と湖とをお叱りになると、すっかり凪になった。

人々は驚いて、「いったい、この方はどういう方なのだろう。風や湖さえも従うではないか」と言った。
‭‭マタイによる福音書‬ ‭8:23-27‬

 

古代イスラエルの狂った王、サウルに命を狙われ続けるダビデ、彼に知らせが届く。

 

ユダの地とペリシテの境にある街、ケイラで同胞たちがペリシテ人により略奪されているというのだ。

 

ダビデに対し主から「行け、ペリシテ人を討って、ケイラを救え。」*1との託宣が下るが、ダビデの部下たちは本拠地のユダの地においてすらペリシテに怯えるほど戦力が劣勢なのに打って出るべきだろうか。と及び腰である。

 

再び託宣が下り、ダビデと兵はそれに従いペリシテと戦い、勝利する。

彼らはケイラの街を救ったのだ。

 

ダビデの命を求め続けるサウルにその戦いが知られる。

サウルは全軍でケイラの街を包囲する。

 

ダビデは再び主に託宣を求める。

ダビデが、「ケイラの有力者らは、わたしと兵をサウルの手に引き渡すでしょうか」と尋ねると、主は「引き渡す」と言われた。*2

 

ダビデは略奪にあっている街を救った。自分自身が命を狙われ、追われる身でありながら彼は主の言葉に従い、略奪されている街を命の危険を顧みず救った。

 

その自らが救ったケイラの街の人々が、あなた、ダビデを売り渡すのだ、と主は言われる。*3

 

ダビデは街を一つ救ったが、自らを救うことはできない。*4

 

ダビデは荒野を逃げ続ける。何も頼りにならず、命を救った人間にも売り渡されそうになった彼に、親友ヨナタンは言う。

 

「恐れることはない。父サウルの手があなたに及ぶことはない。イスラエルの王となるのはあなただ。」*5

 

アブラハムと妻サラが夜空の星のように数え切れないほどの子宝に恵まれる。*6との約束と同程度に信じられない状況での約束である。

 

しかし、この言葉を聞き、ダビデヨナタンは再び主の前で契約を再確認する。*7

 

「わたしとあなたが取り決めたこの事については、主がとこしえにわたしとあなたの間におられる。」
‭‭*8からである。

*1:サムエル記上‬ ‭23:2‬

*2:サムエル記上‬ ‭23:12‬

*3:彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。

「あなたがたは何も分かっていない。 一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか。」
‭‭ヨハネによる福音書‬ ‭11:49-50‬

*4:そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、 言った。

「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」

同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。

「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。

そうすれば、信じてやろう。 神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。

『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭27:39-43‬

*5:サムエル記上‬ ‭23:17‬

*6:主は彼を外に連れ出して言われた。

「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」

そして言われた。

「あなたの子孫はこのようになる。」

アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。
‭‭創世記‬ ‭15:5-6‬

*7:二人は主の御前で契約を結んだ。ダビデはホレシャに残り、ヨナタンは自分の館に帰って行った。
‭‭サムエル記上‬ ‭23:18‬

*8:サムエル記上‬ ‭20:23‬

サムエル記上 22章

ダビデはそこを出て、アドラムの洞窟に難を避けた。それを聞いた彼の兄弟や父の家の者は皆、彼のもとに下って来た。

また、困窮している者、負債のある者、不満を持つ者も皆彼のもとに集まり、ダビデは彼らの頭領になった。四百人ほどの者が彼の周りにいた。
‭‭サムエル記上‬ ‭22:1-2‬

 

エスガリラヤ中を回って、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、また、民衆のありとあらゆる病気や患いをいやされた。

そこで、イエスの評判がシリア中に広まった。

人々がイエスのところへ、いろいろな病気や苦しみに悩む者、悪霊に取りつかれた者、てんかんの者、中風の者など、あらゆる病人を連れて来たので、これらの人々をいやされた。

こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレムユダヤヨルダン川の向こう側から、大勢の群衆が来てイエスに従った。
‭‭マタイによる福音書‬ ‭4:23-25‬

 

本章において古代イスラエル王サウルとダビデは対立的に描かれている。

 

貧しい者、なんらかの物を失った者に囲まれるダビデと、自らは座り、その傍らに地位や富を持つ家臣を立たせるサウル。*1

 

一族郎党で団結するダビデと、家庭内にも不和があるサウル。*2

 

そして何より、大祭司から聖なるパンと巨人ゴリアテの剣を受け取ったダビデと、*3疑心暗鬼にかられ大祭司の家系を虐殺するサウルである。*4

*1:サウルは、ダビデとその仲間の者たちが姿を見せたと聞かされた。サウルは、手に槍を持って、ギブアにある丘のぎょりゅうの木陰に座っていた。

彼の家臣は皆、傍らに立っていた。

サウルは傍らに立っている家臣に言った。

「ベニヤミンの子らよ、聞くがよい。エッサイの子が、お前たち皆に畑やぶどう畑を与え、皆を千人隊の長や、百人隊の長にするであろうか。」
‭‭サムエル記上‬ ‭22:6-7‬

*2:「お前たちは皆、一団となってわたしに背き、わたしの息子とエッサイの子が契約を結んでもわたしの耳に入れない。

息子がわたしの僕をわたしに刃向かわせ、今日のようにわたしをねらわせても、憂慮もしないし、わたしの耳に入れもしない。」
‭‭サムエル記上‬ ‭22:8‬

*3:サウルは言った。

アヒトブの子よ、聞くがよい。」彼は「はい、御主人様」と答えた。

サウルは言った。

「何故、お前はエッサイの子と組んでわたしに背き、彼にパンや剣を与え、神に託宣を求めてやり、今日のようにわたしに刃向かわせ、わたしをねらわせるようなことをしたのか。」
‭‭サムエル記上‬ ‭22:12-13‬

*4:王はドエグに、「お前が行って祭司らを討て」と命じたので、エドム人ドエグが行って祭司らを討った。

こうして、サウルはその日、亜麻布のエフォドを身に着けた者八十五人を殺し、 また祭司の町ノブを剣で撃ち、男も女も、子供も乳飲み子も、牛もろばも羊も剣にかけた。
‭‭サムエル記上‬ ‭22:18-19‬

サムエル記上 21章

普通のパンがなかったので、祭司は聖別されたパンをダビデに与えた。

パンを供え替える日で、焼きたてのパンに替えて主の御前から取り下げた、供えのパンしかなかった。
‭‭サムエル記上‬ ‭21:7‬

 

エスは言われた。

ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。

アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」

そして更に言われた。

安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。

だから、人の子は安息日の主でもある。」
‭‭マルコによる福音書‬ ‭2:25-28‬

 

狂った王、サウルから逃げるダビデは本章で祭司から二つのものを受け取る。

 

一つは共観福音書全てに書かれているエピソード、"安息日に麦の穂をつむ弟子"*1‬‬*2においてキリストが引用した祭司以外は食べることが許されていない聖なるパン。*3

 

もう一つは、かつて自分がまだ戦士ではなく羊飼いであった頃に倒したペリシテ人の巨人、ゴリアテの剣である。*4

 

かつて羊飼いであった頃のダビデは剣の扱いに慣れてはおらず、だからこそ剣ではなく石つぶてでゴリアテと戦ったが、*5サウルに仕え、戦士の長として成長したダビデは剣を扱う。

 

その剣はかつて自分が倒したイスラエル人の宿敵、ペリシテ人の巨人ゴリアテの剣である。

 

そして、ダビデは後々まで続くサウル王との戦いの中で、ペリシテ人の王の家臣として一年四ヶ月の間彼に仕える。*6

*1:そこで、イエスは言われた。

ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。

神の家に入り、ただ祭司のほかには、自分も供の者たちも食べてはならない供えのパンを食べたではないか。

安息日に神殿にいる祭司は、安息日の掟を破っても罪にならない、と律法にあるのを読んだことがないのか。

言っておくが、神殿よりも偉大なものがここにある。

もし、『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』という言葉の意味を知っていれば、あなたたちは罪もない人たちをとがめなかったであろう。

人の子は安息日の主なのである。」
マタイによる福音書‬ ‭12:3-8‬

*2:ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは麦の穂を摘み、手でもんで食べた。

ファリサイ派のある人々が、「なぜ、安息日にしてはならないことを、あなたたちはするのか」と言った。

エスはお答えになった。

ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。

神の家に入り、ただ祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを取って食べ、供の者たちにも与えたではないか。」

そして、彼らに言われた。

「人の子は安息日の主である。」
‭‭ルカによる福音書‬‭ 6:1-5

*3:このパンはアロンとその子らのものであり、彼らはそれを聖域で食べねばならない。

それは神聖なものだからである。

燃やして主にささげる物のうちで、これは彼のものである。これは不変の定めである。
‭‭レビ記‬ ‭24:9‬

*4:ダビデは更にアヒメレクに求めた。

「ここに、あなたの手もとに、槍か剣がありますか。王の用件が急なことだったので、自分の剣も武器も取って来ることができなかったのです。」

祭司は言った。

「エラの谷で、あなたが討ち取ったペリシテ人ゴリアトの剣なら、そこ、エフォドの後ろに布に包んであります。

もしそれを持って行きたければ持って行ってください。そのほかには何もありません。」

ダビデは言った。

「それにまさるものはない。それをください。」
‭‭サムエル記上‬ ‭21:9-10‬

*5:サウルは、ダビデに自分の装束を着せた。彼の頭に青銅の兜をのせ、身には鎧を着けさせた。

ダビデは、その装束の上にサウルの剣を帯びて歩いてみた。だが、彼はこれらのものに慣れていなかった。

ダビデはサウルに言った。

「こんなものを着たのでは、歩くこともできません。慣れていませんから。」
‭‭サムエル記上‬ ‭17:38-39‬

*6:ダビデはアキシュに言った。

「御厚意を得られるなら、地方の町の一つに場所をください。そこに住みます。

僕が王国の首都で、あなたのもとに住むことはありません。」

その日、アキシュは彼にツィクラグを与えた。こうして、今日に至るまでツィクラグはユダの王に属することになった。

ダビデがペリシテの地に住んだ期間は、一年と四か月であった。
‭‭サムエル記上‬ ‭27:5-7‬

サムエル記上 20章

従者が帰って行くと、ダビデは南側から出て来て地にひれ伏し、三度礼をした。

彼らは互いに口づけし、共に泣いた。ダビデはいっそう激しく泣いた。

ヨナタンは言った。

「安らかに行ってくれ。わたしとあなたの間にも、わたしの子孫とあなたの子孫の間にも、主がとこしえにおられる、と主の御名によって誓い合ったのだから。」
サムエル記上‬ ‭20:41-42‬

 

兄弟たち、あなたがたは、自由を得るために召し出されたのです。

ただ、この自由を、肉に罪を犯させる機会とせずに、愛によって互いに仕えなさい。

律法全体は、「隣人を自分のように愛しなさい」という一句によって全うされるからです。
‭‭ガラテヤの信徒への手紙‬ ‭5:13-14‬

 

サウル王に命を狙われ続けたダビデは放浪の旅へと赴く。その契機となる章。

 

ダビデはサウル家の跡取り、王朝の後継者となるはずのヨナタンと深い友情で結ばれていたが、*1サウル王はダビデに嫉妬し、彼を殺さない限り自らの王朝が存続しないと考えダビデを殺そうとし続けている。*2

 

父の心を新月祭の食卓で知ったヨナタンダビデに対し逃げるよう教え、ダビデヨナタンは悲しみの中、別離に至る。

 

家としてはサウル家とダビデは敵対しているが、その中でサウル家のヨナタンダビデは友情で結ばれている。

 

彼らは一つの誓いを立てる。

命懸けで父サウルに背きダビデを救ったヨナタンとその子孫に、ダビデが慈しみを永遠に絶やさないように。*3という契約である。

 

わたしとあなた、互いに違うものの間に契約は行われる。この愛の契約は神の名によって誓われ、この互いに違うものが行う契約の中に主が居られる。

 

この内、外、間の中の神は新約聖書でも度々言及され、*4*5創世記においてもアブラハムと神との契約のシーンにおいて、目に見えない神が目に見えない間を通り過ぎる。*6

*1:ヨナタンダビデを自分自身のように愛し、彼と契約を結び、 着ていた上着を脱いで与え、また自分の装束を剣、弓、帯に至るまで与えた。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:3-4‬

*2:「エッサイの子がこの地上に生きている限り、お前もお前の王権も確かではないのだ。

すぐに人をやってダビデを捕らえて来させよ。彼は死なねばならない。」
‭‭サムエル記上‬ ‭20:31‬

*3:「そのときわたしにまだ命があっても、死んでいても、あなたは主に誓ったようにわたしに慈しみを示し、 また、主がダビデの敵をことごとく地の面から断たれるときにも、あなたの慈しみをわたしの家からとこしえに断たないでほしい。」
‭‭サムエル記上‬ ‭20:14-15‬

*4:その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。

神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。

神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった“霊”によって分かります。
‭‭ヨハネの手紙一‬ ‭3:23-24‬

*5:「かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。」

‭‭ヨハネによる福音書‬ ‭14:20‬

*6:主は言われた。

「三歳の雌牛と、三歳の雌山羊と、三歳の雄羊と、山鳩と、鳩の雛とをわたしのもとに持って来なさい。」

アブラムはそれらのものをみな持って来て、真っ二つに切り裂き、それぞれを互いに向かい合わせて置いた。ただ、鳥は切り裂かなかった。

はげ鷹がこれらの死体をねらって降りて来ると、アブラムは追い払った。

日が沈みかけたころ、アブラムは深い眠りに襲われた。すると、恐ろしい大いなる暗黒が彼に臨んだ。

主はアブラムに言われた。

「よく覚えておくがよい。あなたの子孫は異邦の国で寄留者となり、四百年の間奴隷として仕え、苦しめられるであろう。

しかしわたしは、彼らが奴隷として仕えるその国民を裁く。その後、彼らは多くの財産を携えて脱出するであろう。

あなた自身は、長寿を全うして葬られ、安らかに先祖のもとに行く。 ここに戻って来るのは、四代目の者たちである。それまでは、アモリ人の罪が極みに達しないからである。」

日が沈み、暗闇に覆われたころ、突然、煙を吐く炉と燃える松明が二つに裂かれた動物の間を通り過ぎた。
‭‭創世記‬ ‭15:9-17‬

サムエル記上 19章

ときに、主からの悪霊がサウルに降った。

サウルは館で槍を手にして座り、ダビデはその傍らで竪琴を奏でていた。 そのとき、サウルがダビデを壁に突き刺そうとねらったが、ダビデはサウルを避け、槍は壁に突き刺さった。

ダビデは逃げ、その夜は難を免れた。

サウルはダビデの家に使者を遣わし、彼を見張らせ、翌朝には殺させようとした。

ダビデの妻ミカルはダビデに言った。「今夜中に避難して自分の命を守らなければ、明日は殺されます。」 ミカルはダビデを窓からつり降ろし、彼は逃げて難を免れた。
‭‭サムエル記上‬ ‭19:9-12‬

 

誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。

主イエスの父である神、永遠にほめたたえられるべき方は、わたしが偽りを言っていないことをご存じです。

ダマスコでアレタ王の代官が、わたしを捕らえようとして、ダマスコの人たちの町を見張っていたとき、 わたしは、窓から籠で城壁づたいにつり降ろされて、彼の手を逃れたのでした。
‭‭コリントの信徒への手紙二‬ ‭11:30-33‬

 

後に正式なイスラエルの王となるダビデ、彼の放浪物語。そのセットアップ。

 

サウル王の息子にしてダビデの親友ヨナタンの執りなしでダビデは以前と同じくサウル王に仕え続けるが、彼に槍で突き殺されかけるなど、緊迫は高まっていく。*1

 

槍で殺されかけたダビデは家に逃げ帰るが、そこにもサウル王からの追手が迫る。

ダビデに死が迫っている。ダビデの妻はエリコの娼婦ラハブのように、*2あるいは、ダマスコでパウロを死から救った彼の弟子たちのように*3ダビデを窓から吊り下ろして彼の命を救う。

 

何も待たず、命の危機が頻発するダビデ、その弱さの中に神が働く。*4*5

*1:ときに、主からの悪霊がサウルに降った。

サウルは館で槍を手にして座り、ダビデはその傍らで竪琴を奏でていた。

そのとき、サウルがダビデを壁に突き刺そうとねらったが、ダビデはサウルを避け、槍は壁に突き刺さった。ダビデは逃げ、その夜は難を免れた。
‭‭サムエル記上‬ ‭19:9-10‬

*2:ラハブは二人を窓から綱でつり降ろした。

彼女の家は、城壁の壁面を利用したものであり、城壁の内側に住んでいたからである。
‭‭ヨシュア記‬ ‭2:15‬

*3:かなりの日数がたって、ユダヤ人はサウロを殺そうとたくらんだが、 この陰謀はサウロの知るところとなった。

しかし、ユダヤ人は彼を殺そうと、昼も夜も町の門で見張っていた。

そこで、サウロの弟子たちは、夜の間に彼を連れ出し、籠に乗せて町の城壁づたいにつり降ろした。
‭‭使徒言行録‬ ‭9:23-25‬

*4:すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。

だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。

それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。

なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。
‭‭コリントの信徒への手紙二‬ ‭12:9-10‬

*5:ところで、わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。

この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。

わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、 虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。

わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています、イエスの命がこの体に現れるために。
‭‭コリントの信徒への手紙二‬ ‭4:7-10‬