普通のパンがなかったので、祭司は聖別されたパンをダビデに与えた。
パンを供え替える日で、焼きたてのパンに替えて主の御前から取り下げた、供えのパンしかなかった。
サムエル記上 21:7
イエスは言われた。
「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。
アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」
そして更に言われた。
「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。
だから、人の子は安息日の主でもある。」
マルコによる福音書 2:25-28
狂った王、サウルから逃げるダビデは本章で祭司から二つのものを受け取る。
一つは共観福音書全てに書かれているエピソード、"安息日に麦の穂をつむ弟子"*1*2においてキリストが引用した祭司以外は食べることが許されていない聖なるパン。*3
もう一つは、かつて自分がまだ戦士ではなく羊飼いであった頃に倒したペリシテ人の巨人、ゴリアテの剣である。*4
かつて羊飼いであった頃のダビデは剣の扱いに慣れてはおらず、だからこそ剣ではなく石つぶてでゴリアテと戦ったが、*5サウルに仕え、戦士の長として成長したダビデは剣を扱う。
その剣はかつて自分が倒したイスラエル人の宿敵、ペリシテ人の巨人ゴリアテの剣である。
そして、ダビデは後々まで続くサウル王との戦いの中で、ペリシテ人の王の家臣として一年四ヶ月の間彼に仕える。*6
「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。
神の家に入り、ただ祭司のほかには、自分も供の者たちも食べてはならない供えのパンを食べたではないか。
安息日に神殿にいる祭司は、安息日の掟を破っても罪にならない、と律法にあるのを読んだことがないのか。
言っておくが、神殿よりも偉大なものがここにある。
もし、『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』という言葉の意味を知っていれば、あなたたちは罪もない人たちをとがめなかったであろう。
人の子は安息日の主なのである。」
マタイによる福音書 12:3-8
*2:ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは麦の穂を摘み、手でもんで食べた。
ファリサイ派のある人々が、「なぜ、安息日にしてはならないことを、あなたたちはするのか」と言った。
イエスはお答えになった。
「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。
神の家に入り、ただ祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを取って食べ、供の者たちにも与えたではないか。」
そして、彼らに言われた。
「人の子は安息日の主である。」
ルカによる福音書 6:1-5
*3:このパンはアロンとその子らのものであり、彼らはそれを聖域で食べねばならない。
それは神聖なものだからである。
燃やして主にささげる物のうちで、これは彼のものである。これは不変の定めである。
レビ記 24:9
「ここに、あなたの手もとに、槍か剣がありますか。王の用件が急なことだったので、自分の剣も武器も取って来ることができなかったのです。」
祭司は言った。
「エラの谷で、あなたが討ち取ったペリシテ人ゴリアトの剣なら、そこ、エフォドの後ろに布に包んであります。
もしそれを持って行きたければ持って行ってください。そのほかには何もありません。」
ダビデは言った。
「それにまさるものはない。それをください。」
サムエル記上 21:9-10
*5:サウルは、ダビデに自分の装束を着せた。彼の頭に青銅の兜をのせ、身には鎧を着けさせた。
ダビデは、その装束の上にサウルの剣を帯びて歩いてみた。だが、彼はこれらのものに慣れていなかった。
ダビデはサウルに言った。
「こんなものを着たのでは、歩くこともできません。慣れていませんから。」
サムエル記上 17:38-39
「御厚意を得られるなら、地方の町の一つに場所をください。そこに住みます。
僕が王国の首都で、あなたのもとに住むことはありません。」
その日、アキシュは彼にツィクラグを与えた。こうして、今日に至るまでツィクラグはユダの王に属することになった。
ダビデがペリシテの地に住んだ期間は、一年と四か月であった。
サムエル記上 27:5-7