デリラは彼に言った。
「あなたの心はわたしにはないのに、どうしてお前を愛しているなどと言えるのですか。
もう三回もあなたはわたしを侮り、怪力がどこに潜んでいるのか教えてくださらなかった。」
来る日も来る日も彼女がこう言ってしつこく迫ったので、サムソンはそれに耐えきれず死にそうになり、 ついに心の中を一切打ち明けた。
「わたしは母の胎内にいたときからナジル人として神にささげられているので、頭にかみそりを当てたことがない。
もし髪の毛をそられたら、わたしの力は抜けて、わたしは弱くなり、並の人間のようになってしまう。」
デリラは、彼が心の中を一切打ち明けたことを見て取り、ペリシテ人の領主たちに使いをやり
「上って来てください。今度こそ、彼は心の中を一切打ち明けました」と言わせた。
ペリシテ人の領主たちは銀を携えて彼女のところに来た。
彼女は膝を枕にサムソンを眠らせ、人を呼んで、彼の髪の毛七房をそらせた。
彼女はこうして彼を抑え始め、彼の力は抜けた。
士師記 16:15-19
それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。
「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。
立て、行こう。
見よ、わたしを裏切る者が来た。」
イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。
祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。
イエスを裏切ろうとしていたユダは
「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。
ユダはすぐイエスに近寄り
「先生、こんばんは」と言って接吻した。
イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。
すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。
マタイによる福音書 26:45-50
士師記における中核の物語の一つ、サムソンの物語におけるラスト。
主の御使いにより「あなたの子は胎内に居る時から神に捧げられている」と母親に知らされたサムソンは(士師 13:3,5)
異邦人たちと積極的に付き合い、「安息日に麦の穂を摘んで」食べるが如くの穢れた食事である獅子の死体にある蜜を食べ(士師 14:8-9)
愛した人間に銀貨のために裏切られ(士師 16:18)
敵対する者たちの見せ物となり笑い物にされ(士師 16:25)
そして、自らの死によって偽りの神殿を打ち壊す(士師 16:29-30)。